【シネマナビ】ナカムラクニオさんに教わる!金継ぎwsに参加してみた
日本には、器の傷を受け入れ、長く使うための「金継ぎ」という伝統技術があります。
修復した部分に金や銀を装飾することで、傷をなかったことにするのではなく、味わいとして楽しむ。 そうした日本独自の美意識は、海外でも和名のまま、"KINTSUGI"として知られ、伝統芸術の評価を受けています。
今回、第一回【シネマナビ】に講師としてお招きしたのは、ナカムラクニオさん。
ナカムラさんは、東京・荻窪のブックカフェ「6次元」店主でありながら、ワークショップや映像によって、金継ぎの魅力を日本や海外へ発信するクリエイターでもあります。
器の修復と聞くと、なんだか大仰に聞こえて大変そうに思えてしまいますが、今回のワークショップでは、かぶれず乾燥の早い「新漆」を使った簡易的なやり方を採用。
(簡易的といっても、器はきちんと直り、持ち帰っていただけますよ!)
割れてもなお使いたいと思える器。そこには、その数だけの物語があります。
参加者同士で、器にまつわる思いや思い出を話しながら、作業は進みました。
和気あいあいとした雰囲気ながらも、皆さんの表情は真剣そのもの。
こんなに時間をとって、真剣に器の傷に向き合うのは、おそらく初めてなのではないでしょうか。
ワークショップ終了後には、参加者全員で直った器の発表会。
参加者の皆さんからは「申し訳なく思いながらそのままになっていた器が蘇り、スッキリした」「自分の手で直すことで、前よりも愛着が持てるようになった」など、様々な感想が聞けました。
器を割ってしまった時から、どこかでずっと感じていた後ろめたさ。そんな自分自身の気持ちも、金継ぎは繋ぎ直したようでした。
郁文堂書店では、シネマ通りで文化を学ぶイベント『シネマナビ』を毎月開催していきます。
ナカムラクニオさんの第二回金継ぎWSも予定しているので、もし器が割れてしまったときは、欠片をそっと取っておいてくださいね!
(文:北嶋、写真:郁文堂キャスト)