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日々と器の繕い、「ナカムラクニオさんに学ぶ!金継ぎワークショップ」に参加してきた


割れた器、心に、もやもやを残しながら捨ててませんか? こんにちは!郁文堂書店 tuzuruチームのきたこーです! 先日、郁文堂書店で「第6回シネマナビ〜金継ぎWS」を開催しました。 前回に引き続き、講師はナカムラクニオさん(6次元)。「金継手帳」の出版や動画制作などで、国内外で金継ぎの魅力を発信する伝道師です。

今回は、温かな雰囲気に包まれたイベントの様子をお届けします。

金継ぎとは?

割れや欠けのある器を、漆で接着し、金や銀で装飾する修理方法です。傷をなかったことにするのでなく、1つの景色として見立てることで楽しむのが金継ぎの醍醐味。 室町時代、茶道文化が盛んになる中で生まれ、「侘び・寂び」の精神によって芸術的な価値が見出されるようになりました。

現在は、かぶれやすい本漆以外にも、別のウルシ科の植物によって作った新漆もあり、初心者でもはじめやすくなっています。 今回のワークショップも新漆を使用しました。

ワークショップの様子

会場は、学生の手でリノベーションし、生まれ変わった郁文堂書店。

元通りにするのではなく、建物が経た歴史を新たに捉えた空間は、金継ぎにも似た趣きを感じます。

山形や仙台を中心に、募集人数を超える総勢23名が集まりました。 前回のワークショップのことを聞き、一度参加された方の奥様やご友人なども来てくださいました。

参加者のみなさんから、器の思い出話からスタート

器は生活の一部。愛着のあった器が欠けてしまったり、割れてしまってから急に愛おしくなってしまったり。暮らしと生活の数だけ、そこにストーリーがあります。そして、それこそ金継ぎの一つの楽しみ。 思い出話を聞きながら、参加者からは共感の言葉が思わず飛び出すシーンもありました。

金継ぎスタート!

器の断面に接着剤となる漆を塗り、器を固定します。 また、欠けた部分はパテで埋めます。

はみ出た部分を削り、綺麗にならします。

漆を塗り、乾かないうちに金粉、真鍮粉などで装飾を施します。

完成!

えっ!そんなに簡単にできちゃうの!? と思いますよね。 もちろん、これは今回のワークショップが新漆を使用しているからということもありますが、簡易的な金継ぎであればこれくらい気軽にも始めることができます。 ※食器は直接口に触れる可能性が高いため、食品衛生法に基づいた材料を選ぶようにしましょう。器全体が割れているものは、あまり向いていません。

おいしいコーヒーで、発表会

金継ぎ後には、直した器の発表会です。 どことなく、皆さんの顔も晴れやか。 割れてしまった時から、心のどこかで後ろめたく思っていた気持ちも金継ぎは繋いだようです。 発表会中には、郁文堂書店tuzuruからコーヒーがふるまわれました。 一杯ずつ丁寧にドリップされたコーヒーは、参加者の皆さんからも「おいしい!」「おかわりある?」と好評でした。

さいごに いかがでしたでしょうか。今回のイベントは、郁文堂書店tuzuru主催イベント「シネマナビ」のなかでも、特に温かな雰囲気に包まれたものでした。 今回印象的だったのは、BOTA coffeeさんから提供いただいた器で金継ぎをした参加者の「これで、この器が私のものになったような気がする」という言葉でした。 割った欠片と、直した器。人の商品と、自分の器。 そうした反する二つも、金継ぎは繋いだようです。

今回は来れなかった方も、ぜひ直したい器を取っておいてくださいね。

それでは、次回のシネマナビもお楽しみに!

(文:北嶋、写真:郁文堂キャスト)

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