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【シネマナビ】ハチはろうそく名人⁉蜜ろうキャンドルwsレポート

ろうそくのろうを一番最初に作ったのは誰か、知っていますか?

実は人ではなく、ハチです。

ミツバチは、集めたはちみつが漏れないようにするため、

お腹で水を弾く液体をつくり巣にくっつけます。

その水を弾く液体の正体が、ろうです。

ハチの巣にブドウのつるなどの繊維を挟んだだけで、

長時間燃え尽きないろうそくが完成します。

紀元前3世紀頃、ギリシャやローマ、中国で使われ始めたと言われています。

日本に蜜ろうそくが伝わったのは、仏教の伝来がきっかけ。

しかし遣唐使が廃止されて輸入がストップすると、

そこから明治の時代に至るまで蜜ろうそくの使用は文献に見られなくなります。

そのわけは、日本のミツバチが自由奔放な性格だったから。

必ず同じ場所に戻ってくるセイヨウミツバチに比べると養蜂がしにくく、

蜜ろうそく作りを生業として食べていくことは難しかったようです。

明治の時代になるとセイヨウミツバチが輸入されるのですが、

ちょうどそのころ、イギリスで「パラフィンワックス」が誕生します。

パラフィンワックスは現在一般的に使われているろうそくの原料です。

安価で加工しやすいため流行しました。

こうして、蜜ろうそくは大規模に製造されることなく昭和の時代へ。

そして1988年、

日本で初めての蜜ろうそく工房「ハチ蜜の森キャンドル」が山形県朝日町に誕生します。

https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000176306/

今回講師としてお招きしたのは、日本で初めての蜜ろうそく工房

「ハチ蜜の森キャンドル」を営む安藤竜二さん。

安藤さんは「蜜ろうの優しい灯火で森と人の距離を近づけたい」という思いから、

蜜ろうそくづくりを始めました。

ワークショップでは、

本物のオオスズメバチの標本や、2種類のハチの巣を実際に見たり触ったり。

実物を前にして、参加者全員が安藤さんのお話に引き込まれました。

キャンドル作りでは、安藤さんが実際に作り方を披露。

丸い板だった蜜ろう粘土がみるみる形を変え、

ステキなキャンドルになっていく様子に大興奮でした。

写真は、できた蜜ろうキャンドルを手にして満足げな男の子たち。

最後に、キャンドルを実際に灯してその灯りで絵本を読みました。

真っ暗な部屋にぽつりと灯る明かりに、自然と集中が高まります。

郁文堂の外にもキャンドルが灯され、道行く人が足を止めて魅入る様子も見られました。

七日町の通りが賑やかになって嬉しい、と声をかけてくださる方も。

お店もちょっとだけ誇らしげに見えます。

今回のワークショップには、幅広い年齢層の方が集まりました。

参加者の方同士の会話もはずみ、とても賑やかな1日となりました。

七日町シネマ通りに灯る、郁文堂書店の灯り。

人と人をつなぐこの小さな灯りが、シネマ通り全体に広がっていくことを願います。

次回のシネマナビもご期待ください。

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